歴史遺産 下田城址

下田城の復元を考える会 会長挨拶   会長 佐々木嘉昭

歴史遺産 下田城址
南東上空から下田城址を望む
鵜島に築かれた下田城址の北方稲生沢川の河口付近に北条氏の水軍基地があり、それを抱え込むように下田城が築かれた。

 下田公園(下田市3丁目、別名城山公園)には、今からざっと420年ほど前、北条氏(北条氏直)が築城したと言われている海賊城(水軍の基地)「下田城」の城址が今もなおはっきりと遺っています。

 この下田城は、戦国時代に全国統一を目指した豊臣秀吉のその野望を食い止めようと北条氏の命により伊豆郡代清水康英が小田原城の支城として修築した海賊城です。標高およそ70mの高台を中心にさまざまな施設がつくられ、延長700mにも及ぶ障子堀、畝堀など空堀の跡は今もなおその姿をはっきりと遺しています。うっそうと繁った木々の下にたたずみ、この時空を超えた城址に思いを馳せると、押し寄せてくる敵から必死に城を守ろうと右往左往する「つわものども」の喧噪が聞こえてくるようです。

 この下田城は歴史の町下田市にとってかけがえのない貴重な歴史遺産です。ところが私たち下田市民はこの貴重な歴史遺産を荒れるままに放置してきました。このままでは近い将来跡形もなく崩壊、消滅してしまいます。

下田城址より下田港を見る
下田城址より下田市街を望む

 下田公園は下田で生まれ育った私たちにとって思い出の多い憩いの場です。戦後のロマンを感じさせるこの公園は青春の時を過ごした多くの人たちにとってかけがえのない所です。この下田城址が消滅してしまうことは堪えられることではありません。

 「何とか整備、保存したい。出来るものなら復元したい。」「下田公園に戦国の海賊城下田城があったという史実を後世に伝えていきたい。」・・・、そこでこの度同じ思いを持つ人たちが集まって「下田城の復元を考える会」を立ち上げました。下田城址は下田市の指定文化財です。私たちにできることは、今後下田市がこの歴史遺産を整備、保存していく過程でさまざまな提言や協力をし、その事業の後押しをしていくことです。どうか本会の趣旨、会則にご賛同いただきましてぜひともご入会くださいますようお願い申し上げます。

ご入会ご希望の方はこちらのフォームよりお申し込みください。

平成20年7月6日